2022年1月25日更新 Vol.210

今、話題です!
「アップサイクル」をご存じですか?

  • リサイクル・その他

アップサイクル=価値をアップする

サステナビリティやエシカル消費など、持続可能性や地球環境への影響を考慮したライフスタイルに注目が集まっています。3Rをはじめ、さまざまなリサイクルについては本コーナーでもいろいろと紹介してきました(いくつ知ってる?地球にやさしい環境への取り組み18の「R」)が、最近は単なるリサイクルではなく、より価値を高める「アップサイクル」が持続可能なものづくりの手法として注目されています。
今回はアップサイクルについて紹介します。

捨てていたものにも新たな価値を見出す

たとえば、衣類を雑巾にする場合。これは当初よりも価値が下がっています。こうしたリサイクルは「ダウンサイクル」と呼びます(もっとも、家庭で行うダウンサイクルはごみを減らせることから、必ずしも悪いことではありません)。
一方のアップサイクルは、副産物や廃棄物などに新たな価値を与え、生まれ変わらせることです。

たとえば、


●これまで捨てていた食品の搾りかすを繊維にして洋服をつくる
●売れ残った洋服を組み合わせてバッグに仕立て上げる
●カット野菜の切れ端や芯などをひと工夫して商品化する

こうした取り組みが当てはまります。
現在こうした動きが、アパレルや食品製造業界を中心に徐々に広がっています。
興味のある方は「アップサイクル」で検索してみてください。大量生産・大量消費とは異なり、サステナブル(持続可能)な成長を実現する、新たな生産スタイルといえそうです。

リサイクルとアップサイクルは異なる

なお、リサイクルは通常の場合、ある製品をいったん原材料に戻してから他の製品に再生する場合を指すのに対し、アップサイクルは今あるものに新たな価値を付加して商品化します。
そのため、リサイクルよりもエネルギー消費が少なくて済む場合が多く、よりサステナブルだといえます。
また、これはアップサイクルに限ったことではありませんが、商品である以上「格好よくて使ってみたい」「美味しいから(美味しそうだから)買いたい」と魅力を感じて手に取ってもらう必要があります。

そうして手に取ってもらい、実はアップサイクルで生み出された商品なのだと消費者が知ることは、購入の後押しにもなることでしょう。こうした一連の行動がエシカル(倫理的な)消費につながります(例:環境にやさしいファッションって?エコ・エシカルファッション)。

今後のさらなる拡大に期待

これまで廃棄されていた「モノ」にスポットを当て、アップサイクルを施し販売することで、循環型経済(サーキュラーエコノミー)が少しずつ定着します。持続可能な社会実現への着実な一歩となるでしょう。

日本におけるアップサイクルはまだ主流ではありませんが、既に多くのメーカーやショップがアップサイクルした商品を販売し始めています。今後は買い物の際、その商品がどれだけ環境負荷を減らせているかといった観点から商品を選ぶ人が増えていくでしょう。アップサイクル、ぜひ日々の暮らしで意識してみてください。

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