2021年12月24日更新 Vol.207

今年のクリスマスはなに食べる?
シーズンイベントに潜む環境問題

  • リサイクル・その他


クリスマスはホリデーシーズンのなかでも特に大きなイベント。キリスト教を信仰する人々の多い欧米では友人や家族でギフトを送りあったり、大勢で食事会を開いたりと盛大にお祝いします。 そんな華やかで楽しいイメージのクリスマスですが、1年のなかで最も食品の廃棄が出る時期でもあります。

食品ロスは深刻な問題に

環境問題のなかでも食品ロスは大きな問題です。欧米諸国のように盛大にパーティーを開くことの少ない日本でも、せっかくのクリスマスだからと少し贅沢な食事にしたり、ケーキを買ったりする方は多いでしょう。 食品ロスを減らすためにお惣菜やケーキを完全予約制にする店舗も出てきてはいますが、それでもまだ店頭にたくさんの商品を並べ、販売する店舗も多くあります。

たくさんの商品が店頭に並ぶワケ

店舗にとってクリスマスのような大きなイベントは稼ぎ時です。売り切れは販売機会の喪失につながるため、店舗は過剰に在庫をもってしまう傾向にあります。 また、売り場に商品が隙間なく陳列されているほうが見栄えが良く、消費者の目に止まり結果消費に結びつくことから、売れ残る前提で大量に発注をかけてしまうという背景もあるようです。

食品も廃棄費用ももったいない!

大手コンビニチェーンが土用の丑の日に合わせて行った完全予約制によるウナギの販売では、前年に比べ食品の廃棄にかかる費用は8割減り、全体の利益は240%に上がったそうです。 食品ロスは単に食材がもったいないというだけでなく、廃棄するにも多額の費用がかかります。この結果からも、店舗が過剰に在庫をもつ必要はないということがわかります。

サンタがプレゼントを配れなくなる?

クリスマスにはサンタがトナカイのひくソリに乗ってやってくるという情景を思い浮かべる方も多いかもしれません。このサンタの相棒であるトナカイが絶滅の危機に瀕していることをご存じですか? 地球温暖化の影響で主なエサとなる草を十分に食べることができずにやせ細り、その個体数を減らしているのです。
食品ロスも地球温暖化の要因のひとつとされています。スーパーやコンビニで好きなときに好きな商品が買えることはとても便利である反面、豊かさの裏側では食品が大量に廃棄され、さらに絶滅へ追い込まれている動物がいるという現実があります。 イベントを楽しむことももちろん大切ですが、料理は量を考えて用意し、最後まで食べきるようにしましょう。

参考:コラムVol.132 クリスマスのトナカイは物語のなかだけで存在する動物に?

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