2022年3月25日更新 Vol.216

最近話題の「ファッションロス」について考える!

  • リサイクル・その他

ファッションロスとは

ファッション(衣服)ロスとは、新品、中古にかかわらず、まだ着られるのに捨てられてしまう衣服の問題を指します。日本では年間約30億着の衣服がつくられ、その半分の約15億着が売れ残りのため廃棄されています。また、家庭からは中古の衣服が年間約48万トン廃棄されています。1日あたりの平均廃棄量は、約1,300トン(大型トラック約130台分)にもなります。

アパレル業界の問題

こうした大量廃棄の原因の1つに、アパレル業界の商習慣があります。新しくつくられた衣服は、定価で販売されます。その後バーゲンで在庫処分を図る場合もありますが、売れなかった衣服はブランド価値の下落を招くため値下げはせず、多くは焼却や埋め立て処分されます。焼却時にはもちろん二酸化炭素(CO2)が発生します。
また、単にまだ着られる衣服をゴミにするだけではありません。製造にかかるエネルギー使用量が大きいのも、アパレル業界の特徴です。たとえば、綿の布をつくるための綿花栽培には大量の水が必要です。さらに、染色も多くの水やエネルギーを使用します。実は、衣服をつくること自体も環境負荷が高いのです。

企業の取り組み

この問題を解決するために、多くの企業が課題解決に乗り出しています。その代表格が「オフプライスストア」です。ここではさまざまなブランドの衣服を、定価より安い価格で販売しています。「アウトレット」と似ていますが、自社ブランドだけではなく他社ブランドも取り扱っているのがアウトレットとの大きな違いです。オフプライスストアはいろいろな衣服が安く手に入るお店として、アメリカでは定着しています。

私たちにもできること

最近SNS上で「#30wears」というハッシュタグが使われています。安易に流行物の衣服を買うのではなく、よく吟味したうえで30回以上着る衣服を購入することがコンセプト。地球にもお財布にもやさしい衣服の選び方として、注目されています。
また、フリマアプリ、リユースショップなどを利用するのも1つの選択肢です。サイズが合わなくなった、飽きてしまった衣服でも、気に入って着てくれる人が見つかる可能性もあるので、捨てる前にフリマアプリやリユースショップを利用してみましょう。
他にもファッションロスを少なくするためにできることはあります。たとえば、すぐにサイズが合わなくなってしまう子ども用の衣服はシェアリングサービスを利用したり、着なくなった衣服はごみとして捨てるのではなくNPOなどを通じて寄付したりするなど、いろいろな方法があります。ファッションロスがこれ以上大きな問題とならないよう、衣服とのかかわり方を見直しませんか。

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