2019年10月5日更新 Vol.127

札幌で最高気温40℃!?
このまま地球温暖化が進んだら…

  • リサイクル・その他

未来の天気予報の衝撃

環境省が制作した「2100年 未来の天気予報」が注目を浴びています。
「このまま地球温暖化が進行すると2000年ごろからの平均気温が最大4.8℃上昇すると予測されています。これは地球温暖化対策が実らずに、産業革命以降、世界の二酸化炭素放出量が増加を続けた2100年夏の天気予報です」

こんな文言から始まる天気予報の番組です。
キャスターは「今年の各地の最高気温は札幌で40.5℃など沖縄を除くすべての地域が40℃以上となります」と話します。
環境省「2100年 未来の天気予報」サイト
亜熱帯気候で日本で最も暑い沖縄の気温が、今から約80年後に日本で最も低くなるというのは衝撃的ですね。

平均気温の上昇を抑える「パリ協定」

地球温暖化現象が注目を浴びるなか、1988年に世界中の気候の専門家が集まり、温暖化の傾向と原因を探る試みが始まりました。
これは気候変動政府間パネル(IPCC)と呼ばれ、本当に地球は温暖化しているのか、しているとしたらどの程度なのかが調べられてきました。

そのIPCCは2018年に「現在の地球は産業革命前と比べ、既に平均温度が1℃上昇している。現在の状況が続くと早ければ2030年、遅くとも2052年には1.5℃上昇する可能性が高い」と発表しています。
国際的な地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」では地球の平均温度の上昇を可能な限り1.5℃以下にするよう参加国に呼びかけています。
そのためには人間のCO2排出量を2050年頃に実質ゼロにする必要があります。
そうした対策がすべて取られなかった場合が冒頭の2100年の天気予報の状況です。

雨の降る回数は減り、1回あたりの降雨量が増える

温暖化が進むとどのような問題が発生するでしょう。
実は平均気温が上がると、飽和水蒸気量の限界が上がるため、大気に含まれる水分量が増えます。

その結果、降雨の回数は減り(大気中の飽和水分量に達するまでの時間が長くなり、降雨の間隔が開くため)、その分1回あたりの降雨量が増えるといわれています。
以下は気象庁のホームページですが、「50年に1回」あるいは「100年に1回」の大雨が増えていることがデータから読み取れます。
気象庁 異常気象リスクマップ
また、温暖化した環境では海水温も上昇するため、台風が大型化するようになります。
近年の日本列島では台風による災害が深刻化していますが、これも温暖化が台風の大型化の一因となっているものと推測されます。

身の回りでできることから

では、地球温暖化を防ぐために私たち一人ひとりにできることは何があるでしょうか。
エネルギー・資源をムダに使わない、ゴミにせずなるべくリサイクルを図るなど、本サイトでもその具体的な方法を紹介してきました。

さらに環境省が提唱する「COOL CHOICE」運動もあります。これは脱炭素社会づくりに貢献する製品への買換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択など、地球温暖化対策に資する「賢い選択」をしていこうという取り組みです。ぜひ参考にしてください。

また、持続可能な社会を維持しようという活動があります。国連が提唱する「SDGs」です。
こうした世界の目標を念頭に、自分は何ができるのか、考えてみるのもおすすめです。
豊かな環境を次の世代に引き継いでいけるよう、できることから始めましょう。

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