2017年2月5日更新 Vol.31

家事に無類の強さを発揮
「重曹の達人」で家をピッカピカに!

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あらゆるものがピッカピカになる「魔法の粉」なんです


台所の油汚れや排水のぬめり、さらに洋服の汚れまで、家庭のお掃除で大活躍する魔法の粉があるのをご存知ですか?それは「重曹」。正式名称を炭酸水素ナトリウム(和名・重炭酸曹達 化学式NaHCO3)といいますが、ベーキングパウダーなどの原料になります。

重曹は食用になるくらいなので、漂白剤のように扱いに注意しなくても大丈夫。それでありながら重曹があれば洗剤いらず、といわれるほど、家庭のさまざまなシーンで活躍します。

①油汚れに強い!

たとえばガスコンロや換気扇にこびりついた油汚れ。べとべとした汚れは落とすのが一苦労ですが、重曹をお湯に溶かし、ガスコンロの油汚れに塗っておくと、アラ不思議! 油汚れが浮かび上がり、簡単に落とせてしまいます。その理由は、重曹の持つ科学的な性質によります。

重曹は、油と混ざることで「親水性」「親油性」をもつ「脂肪酸のナトリウム塩」へと性質が変化します。これは石鹸の主要成分と同じ。つまり、油に付くと油を溶かす石鹸へと変化し、油分をピンポイントで分解するのです。そのため、換気扇のように全体に油で汚れているものは、重曹入りのお湯に羽根全体を浸かるようにすると効果があります。お湯と重曹の割合は1:2くらいで油汚れがよく落ちます。

②重曹とお酢で排水溝のぬめりを落とす

今度は、排水溝などの水垢やぬめりを取るのに重曹を使ってみましょう。水垢はアルカリ性なので、溶かすには酸性のものが有効です。たとえばお酢などをかけておくと、水垢は分解されます。

ここで重曹とお酢を混ぜると、何が起きるでしょうか? 答えは「発泡」です。つまり、シュワシュワの泡が出て、汚れを洗い流してくれるのです。ただし、お酢は酸性、重曹はアルカリ性のため、両者を一気に混ぜると中和し、泡がすぐ消えてしまいます。お酢を少なめにして、排水管に重曹とお湯をかけた後、少量のお酢を注ぎ入れるとよいでしょう。最後にブラシなどで軽くこすればお掃除は終了です。

③重曹には脱臭効果もあります!

重曹はアルカリ性のため、酸性の汚れを分解したり、ニオイのもとを中和したりする効果があります。たとえば生ごみなどは酸化してニオイを発するため酸性のことが多いです。そのため、三角コーナーなどは重曹を振りかけてから洗うことで、成分分解が進み、ニオイの元は中和されます。また、皮脂汚れも油汚れの一種です。たとえばシャツの袖口や襟元の汚れ、靴の汚れやニオイなどにも効果を発揮します。お湯に溶かした重曹を洗濯前に塗っておけば、これらの汚れを効率よく落とすことができます。

もちろん、目的によっては洗濯石鹸の方が効果を発揮することもあるでしょう。ただし、一般的な中性洗剤の界面活性剤などと比べ、より環境へのインパクトが軽減されるといわれています。さらに重曹にはたんぱく質を溶かす性質があり、肉などにまぶしておくと、肉が柔らかくなるといった効果も見込めます。
ぜひ上手に使ってください!

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