2020年11月5日更新 Vol.166

省エネの先頭をひた走る?
トップランナー制度のおはなし

  • 電気

トップに習おう!


日本はエネルギー資源に乏しく、過去の石油ショックなどを通じて、省エネの考え方が定着してきた背景があります。同じエネルギーを使うのでもより少なく、より効率の良い使い方が求められてきました。そうした考え方を背景に生まれたのが日本独自のトップランナー制度です。
トップランナー制度は、自動車の燃費基準や電気・ガス・石油機器(家電・OA 機器など)について、現在商品化されている製品のうち、エネルギー消費効率が最も優れている機器(トップランナー)に他の製品も合わせ、性能向上を図ろうという考え方です。1998年に本制度が始まり、省エネ製品の普及に貢献してきました。トップランナーという呼び方がかっこいいですね。

こんなにあるトップランナー製品

製品は①日本で大量に使用され、②その使用に際し相当量のエネルギーを消費し、③その機械器具に係わるエネルギー消費性能の向上が特に必要なもの から選ばれます。具体的には車や家電製品・業務用設備機器などで、消費者になじみの深い家電製品でトップランナーが認められているのは、テレビやエアコン、電気冷蔵庫など。近年は建築資材であるサッシやガラス製品にも導入された結果、2020年11月現在のトップランナー製品は32品目。省エネ型製品情報サイト
によれば、たとえば電子レンジのトップランナー製品は2020年11月現在で349品目があります。選ぶのに迷う数ですね。

制度がもたらした効果

トップランナー制度は省エネにどのような効果をもたらしたのでしょう。 経済産業省が制度開始前の1995年のエネルギー消費効率と、2010年の消費効率を調べたところ、以下のような改善効果があったことがわかったそうです。

自動車 48.8%
電気冷蔵庫(家庭用) 43.0%
テレビ 60.6%
石油ストーブ 5.3%
自動販売機 48.8%

改善結果は製品によって異なるものの、トップランナー制度は製品の省エネに貢献してきたことは間違いないようです。

省エネラベルを参考に

ちなみに、トップランナー制度の対象機器は、購入者が購入時にエネルギー消費効率の情報を取得できるよう、省エネ法に基づく表示義務があります。それを表したのが「省エネラベル」です。
ラベルには省エネ基準達成率やこの製品を1年間使用した際の目安電気料金といった情報が掲載されています。 家電製品などの買い替えを検討されている方は、ぜひ製品についている「省エネラベル」をみて、検討するとよいでしょう。

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