2019年11月25日更新 Vol.132

クリスマスのトナカイは
物語のなかだけで存在する動物に?

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今年もクリスマスがやってくる

ちょうど1ヵ月後のクリスマスに向け、街はイルミネーションで彩られ、なんだか人々も浮足立って見えます。クリスマスといえば、サンタがトナカイに乗ってプレゼントを運ぶ姿を思い浮かべます。しかし、そんなトナカイが、2016年に絶滅危惧種に分類されてしまったのです。このままいくとトナカイは、将来の子どもたちにとって物語のなかだけで存在する動物となってしまうのでしょうか?

トナカイってどんな動物?

日本ではあまり見かけないトナカイ。シカの一種ですが、シカより大きくシベリアなど寒さの厳しい地域で暮らしています。移動能力に優れていて、暑さから身を守ったり餌を探したりするために、数百kmから数千kmも移動することができます。しかし、人間活動や地球温暖化の影響によって、かつて480万頭生息しているといわれたトナカイは、2015年時点で289万頭まで減少していると予測されました。

絶滅の危機にひんした理由

トナカイは秋の出産期に向け、夏の間に植物が豊かな地域へ移動しますが、石油を輸送するパイプラインなどの設置によりルートが妨げられています。すると迂回が必要になって目的地に到着するのが遅れ、十分な栄養を確保できなくなります。それにくわえ、地球温暖化の影響により夏が訪れたタイミングもずれるほか、増加した蚊を媒介した伝染病によりトナカイが死んでしまうなど、絶滅の危機に追いやられたのです。

クリスマスはどう過ごす?

自然界はつながっています。もしトナカイが絶滅したら、これまで餌として食べていた植物が荒れ果てることで、その地域の環境が変わり、ほかの動物にも影響を与えます。クリスマスは家族や仲間と同じ部屋で過ごすことが省エネにつながるほか、暖房の使用などで電力需要の高まる夜の時間帯にイルミネーションを見に行くこともクールチョイスにつながります。皆で豊かな地球を維持していきたいですね♪

WWFジャパン-地球温暖化による野生生物への影響
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/286.html

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